医師により異なる判断も 相談しやすい医師を持つ
自由診療である人間ドックの費用は全額自己負担だ。だが、病気になって同じ検査を受けた場合は健康保険が適用される。では、自由診療と保険適用の線引きはどこにあるのだろうか?
現役の医師で衆議院議員である赤枝氏によれば、「何かの病名がついて、疑いがあると医師が判断すれば、保険は適用されます」という。逆に、自分から検査を頼んでしまうと自由診療になる。基本的に、医師から検査を進められれば保険適用になると考えていいが、どの検査が必要になるかは「医師の判断によって異なることもある」(赤枝氏)。
検査のために嘘をつくのは当然ダメだが、実際に症状があって受ける検査は保険が適用となることも。胸部X線や頭部CT、胃内視鏡等は、該当する症状があれば適用されやすいと言われる。一方、PETのようにがんの診断確定後でなければ保険適用にならないケースもある。
このように、実際に症状がある場合には検査に保険が適用されるため、わざわざ医療費10割負担して人間ドックで検査するのは無駄だと言えよう。「そのためにも普段から相談できる”かかりつけ医”を持ちのがいいでしょう」と赤枝氏は言う。
これらの症状があれば普通に受診すべし
●単純CT:頭部、全身
こんな症状:頭部外傷、頭痛、めまい、吐き気、意識障害、手足の麻痺、
ろれつが回らない
・通常1万5千円→4410円
●胸部X線検査:胸部、肺
こんな症状:激しい咳が出る、痰が出る、息苦しい、胸部や肺などに痛みがある
・通常2100円→630円
●胃内視鏡:胃、十二指腸
こんな症状:胸やけやつかえた感じ、腹部の激しい痛み鈍痛、吐き気吐血や下血等。
・通常2万円→4000円
保険適用になる可能性がある検査と対応する症状
検査項目 | 主な症状・徴候 | 部位・疾患 |
頭部MRI、MRA | 頭痛、めまい、吐き気、嘔吐 | 脳 |
頸動脈エコー | 頭痛、めまい、吐き気、嘔吐 | 脳 |
眼圧検査 | 目の痛み、物がぼやけて見える、 視野が狭くなったり欠けて見える |
目 |
胸部X線検査 | 胸痛、呼吸困難、動悸、息切れ | 呼吸器 |
喀痰検査 | 胸痛、呼吸困難、動悸、息切れ | 呼吸器 |
マンモグラフィー | 乳房のしこりなどの異常 | 乳房 |
乳腺超音波検査 | 乳房のしこりなどの異常 | 乳房 |
心電図検査 | 動悸、息切れ、胸痛、呼吸困難 | 心臓 |
X線造影検査 | 胃痛、食欲不振、吐き気 | 上部消化管 |
ピロリ菌感染検査 | 胃痛、食欲不振、吐き気 | 上部消化管 |
上部内視鏡検査 | 胃痛、食欲不振、吐き気 | 上部消化管 |
便潜血反応検査 | 発熱、福通、下痢、下血 | 下部消化管 |
下部内視鏡検査 | 発熱、福通、下痢、下血 | 下部消化管 |
腹部超音波検査 | 食欲不振、だるさ、微熱、便秘、下痢、黄疸 | 肝臓・胆嚢 |
MRI検査 | 食欲不振、だるさ、微熱、便秘、下痢、黄疸 | 肝臓・胆嚢 |